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HONDA CT110 (通称ハンターカブ)を買おう ! 購入ガイド

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CT110 ハンターカブ
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CT110(通称”ハンターカブ”)を購入するにあたり、仕向地によって複数のモデルが存在します。
さらに中古車両はカスタムもされているため、どのモデルなのか自分自身が把握できなかったのでCT110に興味がある人へ向けて、各仕向地の種類と違い、ざっくりとした見分け方、選び方を紹介します。
少しでも乗る人が増えたら幸いです!

なんでこんなに古いバイクを選ぶきかっけになったエントリーはこちら。
HONDA CT110 車種選定に至るまでの原付と免許

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これまでのバイクの遍歴(ただの昔話)からCT110(通称"ハンターカブ")を選ぶに至った理由などをつらつらと独り言。2000年ごろの話なので同世代の人は当時のことを思い出してみてください。 これまでの原付遍歴 二輪の経歴は浅く、学生時代から...
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4種類:国内仕様かアメリカかオーストラリアかポスティか

CT110が欲しいと思ったときにまず種類の多さに戸惑いました。
使用される場面が国によって異なることから様々な種類があり、経年により部品が交換されていることも相まって純正の状態が解らないのです。

日本ではトレッキングバイクの入門モデルとして、アメリカではレジャーバイクとして、オーストラリアやニュージーランドなどのオセアニア地域では広大な農場や牧場の移動手段として「アグリカルチャーバイク」と郵便配達用として活用されていました。

中古車販売サイトなどを見ていると販売者の調査不足で明らかに間違えたまま出品されているのを散見されます。古いから、情報が少ないから多少は仕方がないとは思いますが、結構常用な部分が間違えていたり、掲載されていなかったりするので購入前に書籍などと併せて仕様を確認されることをおすすめします。

ここでは仕向地と構造からみて大きく分けて4つにカテゴライズして、その違いを素人の僕でも識別できるような主な特徴を列記します。CT110登場以前のモデルは割愛します。

国内仕様モデル

HONDA What is CT?「CTとハンターカブ」第1回 日本編 より引用

副変速機がないためCT110の中では燃費が良いモデル。フロントキャリアもなし。
CT110ではこのモデルのみ、他のモデルと点火装置が異なり、他のカブ同様にシフトペダルのつま先を踏むとシフトアップします。
販売期間が1981年10月2日から1983年の2年間(Wikipedia ホンダ・CT110)と非常に短く、販売計画は年間6,000台(Hondaのニュースリリース CT)とあります。
そこから時間が経っているため良質な車両は少なく感じます。

走行距離が少ない個体もありますが発売が古いため保管状態が悪く、高温多湿の日本では室内保管でない限り例外なく外装が傷んでいます。
これ以外のモデルは逆輸入車となり、海外では2012年まで販売されていたようです。

RIDERS CLUB 1981年12月号 No.42 – 94 ページより引用 新製品ページに1981年(昭和56年)10月2日から発売と記載。

 

CT110国内仕様発売時のリリースには「トレッキングバイクの入門モデルとして開発、(中略)幅広い用途に応えられる機能美を持つ新感覚のレジャーバイクである」「トレッキングバイクは、先のシルクロード(250cc)とイーハトーブ(125cc)に続き、今回のCT110(110cc)と合わせて3機種と充実」などと記載された。
MC CLASSIC モーターサイクリストクラシック No.4 (P.19 CT110国内仕様はなぜ、副変速機が未装備だったのか?)

当時の日本のバイク事情(空前のバイクブームの中で影が薄い存在だった)

1981年にホンダはトレッキングバイクというカテゴリーを提唱し3台のバイクを発売します。
この中ではトライアルバイクのイーハトーブの販売が好調でした。

  • シルクロードL250S
    1981年3月14日発売 価格:当時338,000円 販売計画:年間12,000台
  • イーハトーブTL125S
    1981年4月23日発売 価格:当時248,000円 販売計画:年間4,800台
  • CT110
    1981年10月2日発売 価格:当時159,000円 販売計画:年間6,000台

当時の日本は1982年に二輪車の販売台数がピークになります。

聞き飽きたことではあろうが、日本での年間最多販売台数は1982年の約328万台である。それが90年には年販200万台を割り、2000年にはついに年販100万台を下回ったが、その後も基本的には一貫して台数を減じ、10年以降は最盛時の10分の1近辺にとどまっていた。

二輪車新聞 遺憾ながら達成不可能「100万台プラン」販売店活動として具現化ない


ちなみに、当時でブームの中核となる250ccクラスで最も販売台数が多いバイクはロードスポーツタイプのホンダ VT250Fで17万5187台とされています。(モーサイ 史上空前のバイクブームはやはりスゴかったッ! 昭和時代250ccバイク販売台数ベスト10)

既に副変速機を持つCT110がアメリカで販売されているものの、トレッキングバイクのエントリーに位置させるために副変速機を持たせなかったと考えられます。

北米仕様(アメリカ)

レジャーユースのため、車に積むためにスイベルロック式ハンドルで折りたたみができます。
1980年にCT90からCT110へバージョンアップする形で副変速機なしで登場、1981年から副変速機付きに、1986年が最終モデル。
センタースタンド、副変速機を装備した仕様もあり。
CT110Lというカリフォルニア仕様のモデルもあり。
国内の流通数が少ないこともありやや割高なイメージ。

1981年当時の北米仕様が紹介されている雑誌を紹介します。
トライアル競技の主催者からバイク雑誌ジャーナリストに転向した万沢康夫(万澤安央)氏が当時の日本で林道ツーリングが加熱し「林道レース」と呼ばれるスタイルになったり、それが雑誌で紹介されていたらどうなるか、という前置きから


ところで、林道レースが生まれる要素のひとつには、やはりマシン自体の性格も大いにモノを言う。パリパリの2ストローク・エンデューロマシンでは、やはりゆったりと林道を走る気には、僕自身もなれないからだ。
そこへいくと、このCT110はどうだ。たわむれに道路の盛り上がったところを見つけてジャンプのマネぐらいはその気になればできるし、シフトペダルを踏み込んでいる間はクラッチが切れるのを利用してウィーリーのマネごとだってできる。
しかし、とてものべつそればっかりはやってはいられない。もともと、このマシンにはそういう雰囲気はない。あるのは正反対のノンビリムードだけだ。
<中略>
しかし、その反対に、CT110のような、日本のオフロードライディング環境にふさわしいマシンをなぜ逆輸入というかたちでしか手に入れられないのかが不思議でならないし、これは不幸なことだと思う。
当然のことながら、CT110は国内で売られていれば20万円かそこらで買えるはずだ。同じ価格でこれほど広い楽しみをライダーに与えてくれるものが他にいくつあるだろうか?
そう考えると、こういうものが国内販売のラインナップから抜けていることに日本のモーターサイクリゼーション?の底の浅さが見えてくるように思えてならない。もちろん、それは売り手も、買い手も、そしてサブタンクを認可しないという役人たちも含めての話だ。
日本にはモーターサイクルの数ほどには、モーターサイクル文化は充実していない、とはたびたび聞く自嘲的なセリフだが、具体的な改善策のひとつはCT110をホンダが国内販売することだと僕は確信している。

RIDERS CLUB 1981年10月号 No.40
P.41万沢康夫氏の北米仕様CT110(副変速機、サブタンク付き)のレビュー

Bitly


この後すぐに日本でもCT110が発売されますので、発売を前提とした記事だったのかもしれません。
アメリカではすでに林道をトコトコと走ることが楽しまれており、その後の国内仕様をみると浸透しなかったようです。

オセアニア仕様(オーストラリア)

ヤングマシンマガジン ハンターカブ試乗インプレッション! CT125の予習はコチラ[ホンダ トレール110(CT110)]より引用。(写真のモデルはセンタースタンドが取り付けられている)

フロントキャリア、左右両側のサイドスタンド(※センタースタンドはオプション)、可倒式ステップ、左側のクランクケースの隣にボコッと飛び出した副変速機があり、CT110のなかでは唯一スーパーカブ同様のチェーンカバーがあります。
一番流通量が多いのではないでしょうか。

クランクケースの右側に大きく張り出した副変速機(=サブトランスミッション)。 下から覗き込むと左右に動かすつまみがある。左がLOW、右がHIGH

副変速機がついていることによって通常走行でも負荷がかかる構造から燃費が悪くなっています。

このモデル特有のチェーンカバーは牧草地を走ることを想定しているようです。

さらにNZとオーストラリア仕様はステアリングロックが装着されない(ただし、ASS’Yをボルトオンできそうな穴はある)ため、駐車するときは錠前を写真のようにはめるという。そのほか、NZ仕様で特徴的なのは、ドライブチェーンがフルカバードされていること。これは、彼の地で牧草地を走る際に、草などをチェーンに噛み込まないためのものらしい。

別冊モーターサイクリスト1995年7月号 No.211
P.83 「CT110オーナー寄り合い倶楽部訪問 広がれ我流ハンターカブサークル」

オセアニア仕様に乗る著名人

声優 七瀬彩夏氏
アニメ「スーパーカブ」でMD90やCT110に乗るキャラクター礼子。そのCVを担当されています。

 

俳優 浅野忠信氏
フロントキャリアがありませんが、チェーンカバーやハンドルが折りたたみでない点からオセアニア仕様と思われます。キャリアにタンデムシート、スイングアーム後端にタンデムステップが取り付けられています。タイヤはIRC FB3のようです。

 

他の写真では副変速機、サブタンクが見えます。

 

ポスティ(オーストラリア郵政仕様)

ポスティ(Postie)はオーストラリアの郵政カブ。
目立った点としてはハンドル手前のバッグに対応するため丸形のスピードメーターがヘッドライトから独立してニョキッと生えています。
バッテリーが収まるサイドカバーはこのモデルだけ形状が異なり横長。Pをあしらったロゴもしくは「POST」と書かれています。
副変速機が無し。テールランプはスモールでナンバー下にリフレクターがついています。
ひと目で解らない点としては、12V電装が標準装備でシートのクッションが肉厚になっていること。

オーストラリアだけではなく、南半球のオセアニア地域では郵便配達にカブを使っている国がニュージーランドなど他にもいくつかある。(中略)最も大きな違いは12V電装、副変速をもたない4速ミッション。IRC製のタイヤはサイズこそ同じだがブロックパターンの「FB3」ではなく「3R」を純正採用。現在は新型スーパーカブベースのモデルが導入されている。
Super Cub Story Vol.5 — 海外製品編  郵便配達専用モデルを導入したオーストラリア 2005年 CT110 POSTOFFICE より引用


2012年まで生産されていました。
書籍で確認すると他にも違いはあるようです。

ハンドル位置なども高めで幅広。スポークホイール、スイングアームなどは前述の2タイプより強化された仕様。
MC CLASSIC モーターサイクリストクラシック No.4 (P.27 CTとともに30年ハンターカブ専門店MONO CILINDROの現在)

郵便配達に特化した実用性と機能美が魅力的ですね。

アニメ「スーパーカブ」の礼子が乗るCT110はポスティ

劇中では日本の郵政カブ「MD90」の後にオーストラリア郵政仕様のCT110に乗っています。
多数の改造がされているため分かりづらいものの、副変速機がないこと、スモールテール、サイドカバーが横長の形状からポスティと分かります。
リアキャリアの下に黒い円筒形の純正工具ケースが見えます。

どれを選ぶか、何を優先して選ぶか

購入後にはじめから考えておけばよかったと思いあたる選ぶ指針を書いておきます。

副変速機(サブミッション)の有無

副変速機付きはスーパーローギアが装備されたモデルでオセアニア仕様と北米仕様が挙げられます。
使っていない場合でもパワーをロスしているため、副変速機付きのものはカブとは思えないほど燃費が悪い傾向にあります。構造が複雑になるため故障原因になる箇所ともいえます。
街乗りだけという人は使う機会がないかもしれません。

燃費重視

カブといえば燃費の良さが一番に思い浮かぶのではないでしょうか。
燃費を重視するならば副変速機なしのモデルである「国内仕様」か「ポスティ」。
メリットとしては部品が少ない分トラブルが減り燃費が良くなる点ではないでしょうか。
ロングツーリングをしたいという人はサブタンクも検討してみてはいかがでしょうか。

シフトペダル操作

CT110国内仕様のシフトパターン

CT110国内仕様のシフトパターン

CT110のシフトパターンは4速リターン式です。
ロータリー式のスーパーカブとは異なるものの、シフトペダル操作は国内仕様のみがカブと同じ「つまさき側を踏んでアップ、かかと側を踏んでダウン」です。
それ以外の輸出仕様は逆の「つまさき側を踏んでダウン、かかと側を踏んでアップ」のため、CT110以外にカブへ頻繁に乗る人からするとなかなか慣れないのではないかと思います。

電装(6Vか12V)

国内仕様、北米仕様、オセアニア仕様は純正では6V電装です。(ヘッドライトの光量は35/36Wとあり)
田中商会やミニモトといったメーカーから販売されている社外品の12V化コンバートキットで変更が可能です。
キットは仕向地により商品が異なるため要確認。また、キットの他に電球類やホーンも必要になり、電装品のカスタムが得意でなければ工賃も見積もっておきましょう。



「ポスティ」のみ12V電装を標準装備ですので後から変える必要もありません。
CT110では定番のカスタマイズのため、中古車ならば既に12V化した車両も少なくはありません。
車体の出品情報に記載が抜けている場合もあるため事前に確認するのが良いです。
USB充電器を取り付ける場合、12Vは必須の項目となります。

製造年

使用していなくても油脂やゴムなどは経年で劣化しますので古ければ交換する必要もあり、部品の入手も古ければ難しくなります。

製造年が新しいものを選びたい場合は2012年頃まで製造していたオセアニア仕様、ポスティを選んだほうがよいでしょう。

サブタンク

別冊モーターサイクリスト1994年4月号 No.193 P.97 特集 今こそ、HONDA CT より引用 おそらく国内仕様のパーツ価格か

サブタンクは現在製造されておらず、流通量が非常に少ないためプレミア価格で取引されて久しいです。
サブタンクそのものも高価ですが車体への取り付け部品類も同時に必要となります。
はじめから車体についているモデルを選んだほうが後から取り付けるよりも手間がなく、結果的に安上がりになる可能性があります。

おすすめの参考資料

車両購入前にイメージをふくらませるために読んだ雑誌を紹介します。
製造期間は長かったものの、国内での正規販売期間が非常に短かったこともあり他のカブに比べCT110は資料が少なく感じます。


CT125ハンターカブ発売に際してCTシリーズの変遷、国内仕様とオセアニア仕様で2人のCT110オーナーの話、当時のホンダ広報担当者による「トレッキングバイク3兄弟」の状況などが掲載されています。

 


歴代車両紹介のほか、副変速機を内部写真を交えて構造の解説がされています。

 

CT110購入後

 CT110

実際に購入した後の話はこちらの掲載しています。
購入時に事前に準備しておきたかったことなどを書いています。

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