一般的な修理の仕方としてはタップを立てることで雌ねじのねじ山を一回り大きくし、対応するネジで固定する方法ではないでしょうか。
今回は破損した雌ねじを同一サイズで作りなおすリコイルインサートに挑戦しました。
VSR-10シリーズ各種の特徴や違い、選び方はこちらをご覧ください。
VSR-10のネジはいたみやすい
VSR-10のレシーバーとアウターバレルをつなぐ箇所はレシーバーの肉厚がとても薄く、ネジを強めにしめたときなめてしまうことがあります。
写真右側、レシーバー下側の穴を再生させますが、上側も同じネジ径ですので方法は同じだと思います。
リコイルの理屈
ネジのサイズに合わせた下穴を開け、インサートに合わせたタップ穴を開け、雄ねじに対応するインサートを使い、インサート設置用の道具を挿入します。
リコイルにはネジの大きさに合わせたスプリングのような形状をしたステンレス製のインサートを修復したい雌ねじに挿入させます。
雄ねじがインサートの中に入ることでテンションがかかりインサートが抜けにくくなるそうです。
また、雌ねじそのものがステンレスに置き換わるため強度も増します。
リコイルキット M3-0.5
リコイルに必要な道具はネジ1サイズに対して一式がセットになっています。
工具4点(挿入工具、タング折取工具、タップ、下穴用ドリル)とインサートです。
説明書が付属し日本語でも書かれていますが多言語に対応するためか説明はかなり短めです。
このセットで送料含め7,000円から1万円ほどと価格が高いのがネックですが、今後他のものにも活用したいと思い購入しました。
一時期は同等品も出回っていた様子ですが見つけられませんでした。
下穴用ドリルビット(丸型で約3.15mm)が装着できる電動ドリルかピンバイスのいずれかが必須です。
リコイル作業
下穴加工
タップを立てる
挿入工具はタップ用の簡易ハンドルに変わります。
簡易的なもののため、対応する材質は樹脂やアルミなどの柔らかい素材だそうです。
鉄、ステンレスなどに作業する場合は別売りのタップレンチが必要です。
インサートの挿入
タップした穴に先が割れている専用の挿入工具でインサートを回転させながら挿入します。
ここでちょっと手こずります。
だいぶはみ出してしまいました。
M3-0.5のインサートでは長すぎたようで3分の1くらいの大きさまでカットしました。
厚さは約1.65mmくらいです。
インサートをカットして小さくなり、取り付けの難易度がアップしました。
中央に伸びている部分(タング)を折り取りますがこれも一苦労でした。
何度も挿入しては取り外しを繰り返していたため自然に折れてしまいました。
雄ねじの取り付け
無事雄ねじが取り付けられました。
小さな部品ですがねじをギュッと締められるようになりこれだけでも気持ちが良くなりますね。
直すか、買い換えるか、カスタムパーツにするか?
今回の方法はタップで穴を広げる方法に比べてコストはかなり高いですが、純正部品を廃棄するのももったいない、ネジの径を変えたくないという場合には良いのではないでしょうか。
何ヶ所かリコイルキットを使用するあてがあればいいですが、1箇所だけの場合は割に合わないかもしれません。
VSR-10は中古部品も多数出回っていますが、レシーバーを買い換える場合は同じ症状があったら意味がありません。
状態がしっかり確認できない場合は注意が必要です。
そのほかカスタムパーツに変更するという選択肢も考えてみてください。
PDI製のジュラルミンレシーバーに交換するのもレシーバーそのものの強度アップができるのでオススメです。
今回使用したリコイルキットは以下のモデルです。
型番は35038
サイズはM3-0.5(ねじ系M3/ねじピッチ0.50)
ネットショップでは掲載写真が他のサイズと使いまわされているため、型番とサイズをチェックして購入すると間違えないかと思います。
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